2011年6月11日反原発世界行動の日に日本に暮らす女のひとたちにむけて、以下のメッセージが届きました。ちょっとおくれたのですが、紹介しておきます。おそらく3.11以降、母親業、再生産労働はいままで以上に増大している。しかも再生産労働が決定的に他の労働とことなるのは、ストライキができない点。マリア・ローザ・ダラコスタも「主婦」のストライキは、中絶・堕胎という生殖にまつわ身体そものもを以っておこなうものと限定しています。それから、わずかに「煙草」をくゆらすときのみ。また、今の日本の状況で日々の生活に関わる彼女達がいストライキをしたら、子供を低線量被曝にさらし、時として、将来的に健康を害し、場合によっては「死」にいたらしめてしまうから。(もっとも母親のみにその責が帰されるような状況を変えていかなければならないのはいうまでもないこと)。
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6/11のための声明 Todos Somos Japon シルビア•フェデリッチ
今ここで、わたしが自ら、日本の人々との連帯を表明し、地球上に遍在する全ての原子力発電所を封鎖する呼びかけを行うために。皆さんと共にいられないことがとても残念です。
わたしたちにとって、その結末が見えない福島の原子力災害は、誰も無視しえないことです。今現在そして今後も、無際限の歳月にわたり日本の大気と海域から放出され続けるセシウムとプルトニウムが、風と海流によってわたしたちの元に届けられるのは時間の問題です。それと同様、恐るべきなのは、日本政府とわたしたち、アメリカ合衆国政府の対応です。三つの原子炉の溶解を目の当りにしながらも、日本の権力は、発電所近郊の住民を除いて、民衆を避難させることを拒否しています。そしてまた、ナショナリズムの名において、福島の野菜を消費することを人々に奨励し、 放射性物質の摂取量を健康基準の二十倍もつり上げています。
最近(ある地域では)、専門家がすべきことであるという口実によって、母親たちが自ら子供達があずけられている保育所の放射能レベルを測定することを禁じていると聞きました。
自らの手で触れたり、息をすることで汚染されていく煩悶と共に生きねばならない、福島とその近郊の人々の健康に対するこの露骨な無視に、わたしたちは抗議します。しかしそこで、わたしたちのアメリカ合衆国政府は、それよりましだといえるでしょうか?
原子力を保持すること、それに対する代案はないこと、災害という経験は教訓にもなること----この巨大な破局もこうした姿勢の再保障に帰結してしまったことは、今や様々な報道が語って憚りないのです。アメリカ合衆国政府が300億ドルもの予算を費やして、この国に原子力発電所を増設する企画を思いとどまらせるものは、何もないのでしょう。わたしたちの生命がどうなろうと、わたしたちの経済はそれに依拠しているのだからと、主張しています。
ですが、わたしたちはそれが真実からほど遠いことを知っています。ドイツでは選挙票の減少がアンジェラ•メルケルにここ三年の内に全ての原発を閉鎖することを決意させました。福島の爆発のニュースが伝わるや否やドイツ民衆が道にあふれそして以後投票によって自分たちはもう原子力による破局の脅威の中で生きて行くことはしないと意思表示したことによっているのです。
わたしたちも同じメッセージを発信しなくてはなりません。原子力産業と自らの選挙活動がそれに依拠している共犯的政治家に対抗すべく、強力な運動を構築せねばなりません。同時にこの災害に責任がある日本政府と原子力産業に圧力をかけ原子炉の爆発後直ちに彼らがすべきであった措置を、とらせなければなりません。
1 影響を受けているすべての地域の人々を避難させること。
2 独立した監視員たちによって採取された信頼できる日々の情報を提供し、民衆に配布すること。
3 身体的影響に関与するすべての出費を保証すること。
4 立ち退かねばならなかった家、失った職と収入、使用不能になった公園や農場について、人々に賠償す
充分に保障すること。
さいごに、わたしたちの心はことに日本に暮らす女性達とともにあります。聞くところによると、彼女達こそが、日本政府のナショナリズムと犠牲を煽り立てる宣伝工作に対して最も強力に対抗しているからです。彼女らこそが、「日本では全てがうまくいっている」「この原子力災害は生きるに差し障りはない」と世界に示す為に家族全員に放射能に汚染された食品を消費するよう強要する自殺的論理に対して、闘争していると理解しています。彼女らの闘争は、われわれの闘争であり、彼女らの抵抗は、われわれの支援を必要としているのです。
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要求4の「使用不可能になった」<公園>についても保障せよ」というところに目がとまった。だいじだ。
そう、公園。 原子力災害の保障は、コモンズをとりかえす/つくりかえる、とりくみでもある。
●シルビア・フェデリッチについて:1942年イタリア生まれ。1968年渡米。「家事労働に賃金を!」というスローガンを英米圏に広めた他、新自由主義と第三世界とくにナイジェリアの研究。『約束された発展?』(インパクト出版)に、彼女の論文は収録されている。以下WEB上で読めるもの。